2021年に新しくスタートした「muni Art Award 」
厳正なる選考の結果、「グランプリ」(1作品)「審査員賞」(5作品)、来場者の投票によって選ばれるビューワー賞(1作品)が決定しました。
原ナビィ グランプリ・ビューワー賞
木原健志郎 髙島匡夫賞
駒嶺ちひろ 池永康晟賞、井浦歳和賞
岸裕真 諏訪敦賞、北島輝一賞
土井直也 小暮ともこ賞
井越有紀 田中千秋賞
muni Art Award 2021 ファイナル審査の様子【ダイジェスト】
厳正審査の様子、全て見せます! muni art award 2021 最終審査
【30分版】
グランプリ
原 ナビィ
Hara Nabbie

原ナビィ「ヌ ぺろんちょ」
作品コンセプト
クマの持つ本能的な暴力性、 モチーフとして選んだクマはマレーグマといってクマの中では最弱、最小と言われておりP80号程度の大きさしかなく、 オスに特に現れる顔のシワが人が怒りを表している顔に似ていて、 クマとしては小さく、体つきもなんだか人の様で私のテーマとしいてる'暴力とエロ'に合うなと思い選びました。 マレーグマは昆虫を食べるために舌が長く発達していて、 舌で舐めとるように食べるところがなんだか性的に感じ 怒っているような表情、発達した舌、人間のような体つき、クマの中では最弱、最小と言われているが人より何十倍も強く本能のままに過ごしていて 人が本来持っている野性的で暴力でエロが素敵だと思いました。 暴力はダメ、エロは隠すべきもの、抑圧された社会とは違う本能のまま'暴力とエロ'をこれからも描いていきます。
コメント
グランプリありがとうございます!
まさかのまさかでいただけるとは思っていなかったので嬉しいです!とりあえず赤痢匣をご褒美に買いました!
男塾も届いて今読み進めています、男気を沢山取り込んで良い物出します!
更に自分の感性を磨いて、いい作品ができるように精進していきます。
審査員皆様、お手伝いしていただいたギャラリーの皆様ありがとうございました。
搬入を手伝ってくれた父、髪の毛を結んでくれた母、ありがとう!妹といぬも!
審査員コメント
原ナビィほど第一次、第二次、最終と意見が割れた作家はいない。だが何しろ一次審査での秋華洞スタッフの評判は圧倒的に高かった。なぜなら彼女の作品の一点一点の破壊力、そして作品に添えられたコメントの面白さは出色のものだったからだ。だが同時にあまりに出来不出来の差が多い作品の振れ幅から見て、いったいどのような作家なのか、知りたいと願ったし、作品の真意を聞いてみたかった。
最終審査で銀座に現れた彼女の信念の強さ、昭和の文学・文化から幅広く教養を吸収してきた貪欲さ、「伸び代しかない」と自称する自信と軽妙さは審査委員らの共感的な爆笑につながった。何より作品実物の色の面白さ、構図のインパクトは、細部に囚われがちな日本人絵画の限界をふっとばすパワーを持っている。まだ在学中の若い人だが、今回は迷いなくグランプリを与えたい。荒削りな面も目立つが、将来が楽しみな画家である。(田中千秋)

原 ナビィ
Hara Nabbie
プロフィール
2020年 都立世田谷総合高校 卒業
2020年 東京藝術大学 油画専攻 入学 現在同学科在学中
ビューワー賞
北島輝一賞
ファイナリスト
岸 裕真
Kishi Yuma
諏訪敦賞
北島輝一賞

岸裕真「Seeds」
(映像)
作品コンセプト
江戸時代に制作された春画のデジタルアーカイヴを、国際日本文化研究センターの協力のもとでイメージ生成のAI技術を用いて学習し、絵巻スケールで連続的に生成させた映像作品。 抽象化された肉体の蠢きは、身体を持たないAIにとって理解し得ないものだが、私たち人間はたしかに認識ができる。 技術が進歩し世界が情報化されていく中で、人間を人間たらしめるものとは何か、また愛とは、欲とはいかなるもので、それはどのように生まれ、消えていくのかを問うための制作。
コメント
こうしてアワードに応募して賞をいただくこと自体が初めてなので、とても嬉しいです。
自分達の制作に対して、審査員の方々に背中を押していただけたような温もりを感じています。
この度は光栄な賞をいただき、ありがとうございました。モニターの向こう側の友人達にも伝えておきます。
審査員コメント
岸裕真は自らを高次元にある未知の知性と協働する者として、人間の感性に軋み音を立てる企てを実行しているかのようだ。
彼はAIを、人工ならぬ異質な知性をもつ存在(Alien Inteligence)として捉えていることを公言し、魅力的な作品群をものにしており、広く見回してみてもその才能は突出していると思う。
芸術は全ての行為を飲み込み包括する怪物的なジャンルだ。そして人は自分の属する表現領域の存在意義を信じることで制作を維持できるものだが、数多の応募者の中で、岸の作品だけが芸術という枠組みさえも揺るがすような問いと意思を備えていた。(諏訪敦)
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本作家の作品は、半年ほど前に訪れたグループ展で認識していた。
その時の作品は、彼が、やはり画家であるという父親との関わりの映像をニューラルネットワークに記憶させ、
それを想起させることによって、なんとも言えない曖昧な映像を出力する。
この人間の記憶の曖昧さを、仮想的に脳と同じ機構を持つコンピュータ技術を利用して表現していることに心が動いた。
今回の作品は、秋華洞の主力商品である、浮世絵・春画をニューラルネットワークに入力して、やはり曖昧な映像を出力するものであった。
その揺らぎのようなものがその時代経過を感じさせよう。今後が楽しみにな作家である。(北島輝一)

岸 裕真
Kishi Yuma
プロフィール
AIを人を模倣するものではなく、異次元のエイリアンの知性として捉え、その知性を自らの身体にインストール・依代として貸し出すことでデジタルな知性とアナログな身体を並列関係に配置した制作を行う。 制作の中にはしばしば過去の美術史のモチーフが借用され、それが歪な形でテクノロジーと接合されることで、作品空間に介入した鑑賞者は今ここに存在する自己や世界に対する意識が一瞬脱臼するような感覚を想起する。またNIKEやVOGUEにも作品が起用されるなど、多領域にわたり活動中。
2019 年東京大学大学院工学系研究科修了.
2021 年より東京藝術大学先端芸術表現科修士課程在籍.
2019 Eureka展, Gallery Water (六本木)
2020 富士山展3.0 -冨嶽二〇二〇景-, T-ART HALL (天王洲)
2020 荒れ地のアレロパシー, MITSUKOSHI CONTEMPORARY GALLERY (日本橋)
2021 絵画の見かた reprise, √K Contemporary (神楽坂)
2021 Neighbors' Room, BLOCK HOUSE (原宿)
木原 健志郎
Kihara Kenshiro

ファイナリスト
髙島匡夫賞
木原健志郎「Portrait e」
(30号・キャンバスに油彩)
作品コンセプト
この作品は、人形のポートレートです。私は人形やおもちゃをモチーフとし、そこに子供の頃の感覚や懐かしさなどの私的な意味合いを見出し、描いています。しかし、私的な意味を持ったモチーフであっても、そこには鑑賞者と繋がることができるような普遍性が存在していると思います。
コメント
この度はmuni Art Awardにおいて、高島匡夫賞を頂き大変光栄に思います。このアワードは独自性について考えるきっかけを与えてくれました。これからも、今回の受賞で満足することなく、双子の兄、幸志郎とともに自分たちの表現をぶれることなく貫いていきたいと思います。
審査員コメント
今回の出品作のジオラマの作品については、私の年代にはとてもノスタルジックで面白いですけど、このmuni Art Award のコンセプトには少し合わないかなと思い最終審査にポートフォリオで見たフェイスの作品を持って来てもらいました。
抽象表現のフェイスの作品はカオス的表現で、私が得意とする浮世絵の写楽の大首シリーズに表されるデフォルメのカオス的なイメージに通じるものがあり、なかなか面白い作品群だと思いました。
最終審査で見た何点かのフェイスの作品はモノクロームの抽象表現が心に残るものとなって、今後もかなり期待を抱かせるものかと思い、審査員賞に選ばせて頂きました。(髙島匡夫)

木原 健志郎
Kihara Kenshiro
プロフィール
私の制作は、おもちゃを使ってジオラマを作るところから始まる。その過程を取り入れることで、幼少期に「遊び」で得た感覚をリアリティを持って表現できると考えている。
子供の「遊び」の中には、純粋と暴力が同居し、その二面性は自分の中にも存在する。そんな自分をおもちゃに重ねて描いている。
1997年兵庫県生まれ。
尾道市立大学大学院 美術研究科美術専攻油画コース在籍。
2021年 FACE2021〈SOMPO美術館・東京〉入選
昭和会展〈日動画廊・東京〉入選
三菱商事アート・ゲート・プログラムスカラシップ奨学生(2021年度)
木原 幸志郎
Kihara Koshiro
